18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
遥さんがお母さんの話をしたから、私もしたくなった。
当たり前のように親子3人で暮らしてきたけど、こんな未来はもしかしたら存在しなかったかもしれないのだ。
「私もね、ママが大好きなんだ。よく怒られるけど。ママはずっと子供が出来なくて、もう諦めていた頃に私を授かったって言ってた。たまに思うんだけど、もし生まれてこなかったらどうなっていたのかなって」
母は私が生まれてきたことは奇跡だと言った。
「こんな素敵な世界を知ることもなくて、美味しいものを食べることもできなくて、友達にも会えなくて、遥さんにも出会えなかったよね」
だけど、その逆もしかり。
もし母が結婚してすぐに妊娠していたら、私ではない違う誰かが存在していて、あの頃の遥さんとも出会えていなかったかもしれない。
「遥さんと出会ったのって偶然なのかな?」
彼が大切なものを失った頃、私はこの世に生まれてきた。
「わたし、あなたと出会うために生まれて来たんじゃないかな」