18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 遥さんがお母さんの話をしたから、私もしたくなった。

 当たり前のように親子3人で暮らしてきたけど、こんな未来はもしかしたら存在しなかったかもしれないのだ。


「私もね、ママが大好きなんだ。よく怒られるけど。ママはずっと子供が出来なくて、もう諦めていた頃に私を授かったって言ってた。たまに思うんだけど、もし生まれてこなかったらどうなっていたのかなって」

 母は私が生まれてきたことは奇跡だと言った。


「こんな素敵な世界を知ることもなくて、美味しいものを食べることもできなくて、友達にも会えなくて、遥さんにも出会えなかったよね」


 だけど、その逆もしかり。

 もし母が結婚してすぐに妊娠していたら、私ではない違う誰かが存在していて、あの頃の遥さんとも出会えていなかったかもしれない。


「遥さんと出会ったのって偶然なのかな?」

 彼が大切なものを失った頃、私はこの世に生まれてきた。


「わたし、あなたと出会うために生まれて来たんじゃないかな」



< 451 / 463 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop