【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
 いつか休日の公園で見かけた三人家族の姿を思い浮かべる。

 ――大切な人とふたりのあいだにできた子どもと、穏やかに過ごす休日。そのとき隣に立っているのが賢人さんならいいのにな。

 夢だからこそ自由に思い浮かべていた幸せの形が、実現に近づいているなんて。

 寝息を立てている整った顔に、そっとつぶやく。

「私、すごく幸せです」

 両家への挨拶や結婚式、新婚旅行のこと、新居に引越し、そして子どものこと。

 これからたくさんのことを話し合って決めることになる。意見がぶつかって喧嘩することもあるかもしれない。

 でも不安な気持ちはまったくなかった。

 賢人さんとなら、きっと全部が楽しいはず。

「大好きです」

 形のいい唇にキスを落とすと、切れ長の目がぱちりと開いた。

 驚いて離れようとしたけれど、大きな手がすかさず私の後頭部をとらえ、そのまま引き寄せられる。

「んっ、起きてた、ですか」

 唇を塞がれながら、どうにか声を出す。賢人さんはほんのり赤くなった目を細めた。

「……襲われた」

「え、ちが」

「ちゃんと応えないと、男が廃る」

「や、ちょっ」

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