【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
外灯に照らされた歩道をぐいぐい引っ張られる。コンビニを通り過ぎ小さな公園まで来るとようやく彼は足を止めた。後方に視線を巡らせて誰もいないことを確認し、昴はベンチがあるだけのささやかなスペースに私を誘導する。
「相変わらずぼーっとしてんだろ」
振り向いて開口一番がそれだった。呆れたように私を見下ろし、ため息をつく。
「隙だらけだからそうやって付け込まれるんだよ」
その通りなのでなにも言えない。
昴は私たちを見つけてとっさに状況を判断し、彼氏を演じて私を助けてくれたのだ。有り難いけれど、ちょっとややこしくなってしまった。
「ありがとう助けてくれて。でも、どうしてここに?」
私の質問に無言で返し、昴はまっすぐ目線を注いでくる。
一週間前に会ったときは気づかなかったけれど、数年ぶりに会った昴は少し痩せたみたいだった。余計なものが削ぎ落されて精悍さが増したというか。
身に着けているものがあの頃とは異なるせいかもしれない。明るくてノリがよくて穏やかな風貌だった大学生の頃と違って、洗練された男性の色気みたいなものをまとっている。
就職して五年。総合商社に入った昴も社会で揉まれてきたのだなと改めて感じていると、彼は眉間に皴を寄せて苦しそうな顔をした。