【極上溺愛】エリート鬼上司は無垢な彼女のすべてを奪いたい
「帰りの特急電車で食べるのもいいですね!」

 車窓に流れる景色を眺め、ふたりで旅の思い出を話しながらお茶と和菓子を食べる。想像しただけで楽しかった。移動時間も立派な旅の一ページだ。

 結局私はお店で人気らしい餡菓子を、賢人さんはわらび餅を選んだ。店員さんに注文を済ませた彼が私を見て表情を崩す。

「どうした? にこにこして」

「いえ、楽しいなと思って」

 私は年に何回も旅行に出かけるようなアクティブなタイプではないけれど、これまでに何度か友達や家族と旅行をした経験はある。それぞれ楽しい思い出になっているものの、旅行中はやっぱりそれなりに気疲れをしていた。

 自宅ではぼうっとしていて身支度に一時間も二時間もかかる私が誰かと行動を共にしようと思ったら、遅れを取らないようにと無意識に気張ってしまうのだ。

 それなのに、賢人さんといると常に自然体でいられる。彼はぼうっとしてる私をほどよく放置してくれるどころかそんな私を見て楽しんでる節もある。
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