先輩の愛に溺れながらずっと
ごめんなさい……。


とうとう怒りを抑えきれずに言った女の先輩に同調するようにみんなはボソボソと文句を言っている。


「あの子出来なさすぎでしょ。」

「足引っ張ってるよね。」

「なんでこいつが私達と同じ班なの?」

「この子のせいで先に進めないよ。迷惑…。」



今まで何回も言われてきた言葉が毎度毎度胸に刺さる。

ごめんなさい。足引っ張って。


申し訳ない気持ちでいっぱいになり泣きそうになりながらも頭を下げる。


「ご、ごめんなさい。もっと頑張ります。
ついていけるように。邪魔しないように頑張るので…「あのさぁ、あんた覚える気がないから、そんなにみんなと違って出来ないんじゃないの?」


覚えようとしてる。踊れるようになりたい。



「もうあんた練習来なくていいんじゃない?
ごめんなさいとしか言わないしさぁ、もう来ないで─────

もう来ないでいいよって言われようとしていて焦った時、

「その子頑張ろうとしているように僕には見えるけどなぁ。」


険しい雰囲気の中、凛とした優しい声が響いた。
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