無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 それらを考えると、ゾッとしてしまう。怖くて怖くて仕方がない。不安で不安でたまらなくなる。

 そんな不安や怖れの中、ふと思い出すことがある。

 たとえみんなに愛想を尽かされたり嫌われたとしても、「以前と同じような状況にもどるだけのこと」、だということを。

 ということは、以前よりも悪くはならないということ。以前以上に寂しかったりつらかったりということにはならないということ。

 だったら、なにも怖れたり不安になったりする必要はない。

 そうふっきろうとしつつも、やはり心のどこかではそれらが居座っている。
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