無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
『ああ、なんてことだ。せっかく優秀な侍女を王都から呼び寄せたというのに、彼女に拒否されてしまった。彼女が不便な思いをしているだろうし、なにより男ばかりで同性がいなくて寂しい思いをしていると考えに考え抜いたのに……。やはり、彼女におれの想いは通じないのか? おれの真心は伝わらないのか?』

 直後、彼の「真の声」が流れ込んできた。

(ご、ごめんなさい)

 ヴィクターのあまりの嘆きように罪悪感に苛まれたのはいうまでもない。

 彼の悲しみを無視するほど、わたしは悪女ではない。
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