無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「あの、なにか?」

 彼女たちが出て行くと、ヴィクターたちがこちらを見ていることに気がついた。

「いや、なんでもない。きみを見たら不都合でもあるのか?」
「いいえ、ヴィクター様。そのようなことはけっしてありません」

 不機嫌そうなヴィクターに慌てて言った。

『うわああああっ! カッコよかった。いまの彼女の啖呵、最高にクールだった。ギャップがすごすぎて身震いしてしまった。もっとこのギャップを見てみたい。姉上に鍛えてもらったら、ギャップだらけになるかもしれないぞ』

 いつものように彼の「真実の声」が流れ込んでくる。
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