無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
 わたしは、その点を期待している。これは、充分期待出来ると信じている。

 とはいえ、どちらかが口を開くまで不安と緊張でどうにかなってしまいそうだった。

「まったく気がつかなかったわ」
「おれもだ。まったく気がつかなかった」

 やっと二人が言葉を発してくれた。

(って、なんですって? 二人とも、まったく気がついていなかったの?)

 心の中でガックリしてしまった。
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