無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~

元夫と義姉に会う

 兵士たちは、玉座の階段下で二人を跪かせた。屈強な兵士たちは、彼らの後頭部をおさえて顔を上げることが出来ないようにしている。

「貴様らがウォーターズ帝国の皇帝と皇妃か? ああ、答えなくていい。言ってみただけだ。おれも忙しいのでな。手短にすませよう。二度に渡るウォーターズ帝国の侵略行為、さすがに許すはずがないよな?」
「いや、侵略ではない……」

 ほとんどうつ伏せ状態の元夫の声は、みっともないほど震えていた。

 その声をきいた瞬間、またしても「ざまぁみろ」と意地悪なことを思ってしまった。
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