無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
「サエ、おれの最愛の人よ。承知した。その二人を、ウォーターズ帝国の反乱軍の使者に引き渡せ」
「はっ!」

 兵士たちは、元夫と義姉を拘束し直した。そして、二人を謁見の間からひきずり出した。

「命だけは助けろ」
「わたしは関係ないわ。サエッ、助けなさい」

 彼らは、この期に及んでまだエラそうに命じている。

 彼らのみっともない声がきこえなくなるまで、「ざまぁみろ」を心ゆくまで味わった。

 ヴィクターのやさしくてあたたかい胸に抱かれて。

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