無能者だからと離縁された私は、「野獣王」の生贄妻となりました~じつは無能ではない私。あらたな旦那様の「真実の声」が可愛すぎて幸せ満喫中。クズな元夫と義姉は絶対に許せないので破滅してもらいます~
『もっとおれを責めてくれ。それで、おれに渋々『うん』と言わせるんだ』

 国王の心を、真の声が心にしみ込んでくる。

 自分の力の開花に気がついたいま、それが他人の本音をきける力だとわかったいま、なぜか大きくて強面の国王が怖くなくなった。

 人間とは不思議な生き物である。

 というか、わたしが単純な思考や感情を持っているだけかもしれない。とにかく、彼のことが怖くなくなったのである。

 たとえ彼が謎だらけの人物であろうとも。彼には悪い噂や怖い噂しかないとしても。
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