お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する




「はぁ……」


週明けの月曜日。何とか一日が終わって、今は放課後。俺は三石の制止を振り切って、帰路についていた。


――勇運くん!


金曜日に、三石の弟と会って以降。近づいていた二人の距離が、遠く離れた。


弟を見た瞬間に逃げたこと。
あの時の態度がおかしかったこと。


全て見なかった事にしてほしくて「俺のことは気にするな」と言ったが……どうやら、裏目に出たみたいだった。


――勇運くん、話を!


今日一日、三石に何度話しかけられたか分からない。そして、俺が何度避けたかも。

俺がスルリと三石をかわした時の、傷ついたアイツの顔が……頭から離れない。


「はぁ……。器が小さくて、自分が嫌になるな」
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