お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
警察帽子に隠れた素顔





「どうして勇運が、冬音ちゃんの家にいるのかな?」

「……」



玄関にてただならぬ空気を感じ、まどろむ夏海を置いて玄関へ出て来た私。

何やら一触即発の雰囲気を醸し出す勇運くんと、守人さん。そんな二人の間に割って入ったのは、私ではなく柴さんだった。



「久しぶりです、冬音さん。その後、調子はどうですか」


ズイッ


守人さんの視界を遮るように、わざと身を乗り出す柴さん。


守人さんを見ると、柴さんの背中が現れた瞬間に口を閉じ、その場から一歩引いた。

勇運くんも守人さんから目を離し、腕を組んで廊下の壁に背を預けている。


私と柴さんだけが向かい合っている状態。これは「二人の事は気にしないで話を続けて」って事だよね? きっと……。
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