お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「お前さ……」

「え?」

「いや……」


「いや」と言ったきり、そっぽを向いた男子。

表情を隠しているけど……分かる。


「もしかして、笑ってる……?」

「……笑ってない」

「うそ、笑ってるよ!」


だって、肩がプルプル震えてるもん!
「くくっ」って声も、聞こえたもん!


今のどこに、笑う要素あったかな……。

すると男子は、尚も腕で顔を隠しながら、私の方へ振り向く。

そして、何を言うかと思えば――


「お前って、そういう奴だったんだな」

「……へ?」

「毒が抜けたみたいで……いや、うん。良かった」

「毒……」


その時、思い出した。

あのピンチに陥った時に、思い出した言葉を。
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