お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
――早く逃げろよ
――お前、危ないぞ
――これ以上、刺されんなよ
あの時は、何も考えられなかったけど。
あの言葉は……
いま私の隣にいる男子が、言ってくれた言葉だ。
「ねぇ、毒ってさ……。
もしかして、私の彼氏の事じゃ、」
すると、その時だった。
「あ、こんにちはー。冬音ちゃん」
「え」
「あ?」
この場に響く、第三者の声。
振り向くと――
そこにいたのは、あの時のお巡りさんだった。