お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「あ、昨日の!」

「偶然だね。今から登校?」

「はいっ」


ニコリと笑うと、お巡りさんは「元気だねぇ」と爽やかに笑った。

……昨日は気づかなかったけど、お巡りさんの髪の色は茶色だった。

茶色、といっても黒色寄りで、こげ茶色って感じ。警察の帽子から全く髪の毛が出ないほど、短髪。

そして、顔が……すごくカッコイイ。キリッとした二重に、小さな顔。


「冬音ちゃん、どうしたの?」

「いえ……、何でもないですっ」


手足も長くて、警察の制服姿が……よく似合ってる。

むしろ似合い過ぎてて、直視できないほど。


「……あ、あの!」


そうだ、見惚れてる場合じゃない。

お巡りさんに、お礼を言いたかったんだ!
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