お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
クリスマスの誓い
それから――
勇運くんは退院し、いつも通りの日常が戻って来た。
守人さんと柴さんのケガは早くに治り、勇運くんとがれきに閉じ込められた連くんも、病院で検査を受けるも問題なしで、すでに夏海と保育園で毎日遊んでいる。
事故が無事に収束し、いよいよ世間はクリスマス。街のいたるところが騒がしく、にぎやかに色めき立っている。
そんなクリスマス、当日。
勇運くんと二人で、とある場所にきていた。
そこは――
「初めまして、勇運くんのお父さん。三石冬音です」
勇運くんと守人さんのお父さんが、眠る場所。
退院後、勇運くんから「クリスマスの日」について聞かれた。
『どこか行きたい場所ないか? パーッと、どこか行こう』
『あ、じゃあ……』
そこで、私が「勇運くんのお父さんに会いたい」と言ったわけだ。