お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する
「ねぇ、冬音ちゃん。やっぱり熱あるんじゃない?」


莉音ちゃんは、ポケットから再びのど飴を取り出す。あぁ、違うの……っ。


「顔、赤いよ。保健室に行く?」


純粋に心配してくれる莉音ちゃんに、申し訳なくて。周りをキョロキョロした後、小さな声で囁いた。


「本当に、風邪じゃないの。

あの……聞いてくれる?」


そして「気になっているお巡りさんがいる」と、初めて人に話した。

どういう理由で「気になっている」のか、自分で分からないまま。

だけど莉音ちゃんに話した途端――なんと。すぐに、その答えが出た。


「そんなの決まってるじゃん。恋だよ、こーい」

「こ、恋……⁉」

「それ以外に、何かある?」


むしろ何で分からないの――という視線を感じる。うぅ……っ。
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