たゆたう、三角関係
23時前まで同じ店で過ごして、紗里と悠馬は続けて二軒目に行くと行ったので私たちはそこで分かれた。

コテージに着くと、藤くんが先にシャワーを浴びて次に私が浴びた。

藤くんがシャワー浴びてる間、ぼんやりとこの後どうするんだろうと少し考えた。

キスはあるかな。そのあとはどうなんだろう。でも何もないかもしれない。

私はどうなんだろう。
どうしたいんだろう。

藤くんに触られたい気持ちも、まだ何も始めたくない気持ちも両方あった。

キッチンに置かれた椅子に腰掛け、テーブルに突っ伏しながらほんの少し目を瞑る。

私がシャワーを浴びて髪も乾かして戻ってくると、ベッドの上でTシャツとハーフパンツ姿の藤くんがスマホをいじってた。

私に気付くと上体を起こして、「なんか飲む?」と言う。

「そうだね、何あるかな」

私たちは小さな冷蔵庫前に集まり、帰り際に購入した飲み物を手に取る。

藤くんはベッドに戻ることはなく、キッチンのテーブルに居座った。私も隣に座ってプルタブを開ける。

藤くんは一口飲んでため息をついた。

「晴人のこと振った?」
「振ってないよ、何も言われてない」
「晴人が実琴に振られたって前言ってて」
「ヨリを戻すことは考えてないって言った」

少し彼が私の目を見る。
触れてないのに、隣の藤くんの体温が伝わってくる。

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