新そよ風に乗って ⑦ 〜Saudade〜
「あっ。 そう言えば、 明良さん。 高橋さんに、 私の事を話しませんでした?」
「えっ? 何を? 会社を休む件以外は、 言ってないよ。 何で? 貴博来たの?」
「だって……昨日、 高橋さんが外出の帰りに寄って下さって、 その時明良さんに私の食欲がないって聞いたって……」
明良さんが言ってたって、 高橋さんは確かにそう言った。
「いくら俺でも、 言わない……と思う……けど……言ったか? いや、 食欲がないって事は言ってないよ。 多分、 言ってない。 きっと、 それ……貴博にカマ掛けられたんじゃないの?」
「カマ掛けられた?」
「そう。 貴博、 そういうところ敏感だから。 きっと、 陽子ちゃんを見て感じたんじゃない?」
トントン。
看護師さんが点滴を取り替えに来たので、 明良さんがベッドのそばから後ろに下がった。
「取り換えますからね」
そう言って、 看護師さんが会釈をしながら明良さんの前を横切った。
「それじゃ、 また来るね。 今晩当直だから、 ずっと病院にいるし……と言っても、 陽子ちゃんには関係ないか。 貴博じゃないもんな」
うっ。
やっぱり何気なく高橋さんの名前を聞いても、 ドキドキしてしまう。
「明良さん。 からかわないで下さいって」
「ハハッ……じゃねぇ……って、 そうだ!」
看護師さんは点滴を交換するとそのまま出て行ったので、 一緒に明良さんも行きかけたが、 立ち止まってこちらを振り返った。
「貴博の事、 もう少し待ってやって。 きっと今、 色々悩んで考えていると思うから」
「明良さん……」
いきなりそんな事を言い出した明良さんに、 驚いて目を見張ってしまった。
「彼奴……今回の事で、 凄く堪えているみたいだし」
「今回の事?」
ミサさんの子供の事?
それとも……。
「えっ? 何を? 会社を休む件以外は、 言ってないよ。 何で? 貴博来たの?」
「だって……昨日、 高橋さんが外出の帰りに寄って下さって、 その時明良さんに私の食欲がないって聞いたって……」
明良さんが言ってたって、 高橋さんは確かにそう言った。
「いくら俺でも、 言わない……と思う……けど……言ったか? いや、 食欲がないって事は言ってないよ。 多分、 言ってない。 きっと、 それ……貴博にカマ掛けられたんじゃないの?」
「カマ掛けられた?」
「そう。 貴博、 そういうところ敏感だから。 きっと、 陽子ちゃんを見て感じたんじゃない?」
トントン。
看護師さんが点滴を取り替えに来たので、 明良さんがベッドのそばから後ろに下がった。
「取り換えますからね」
そう言って、 看護師さんが会釈をしながら明良さんの前を横切った。
「それじゃ、 また来るね。 今晩当直だから、 ずっと病院にいるし……と言っても、 陽子ちゃんには関係ないか。 貴博じゃないもんな」
うっ。
やっぱり何気なく高橋さんの名前を聞いても、 ドキドキしてしまう。
「明良さん。 からかわないで下さいって」
「ハハッ……じゃねぇ……って、 そうだ!」
看護師さんは点滴を交換するとそのまま出て行ったので、 一緒に明良さんも行きかけたが、 立ち止まってこちらを振り返った。
「貴博の事、 もう少し待ってやって。 きっと今、 色々悩んで考えていると思うから」
「明良さん……」
いきなりそんな事を言い出した明良さんに、 驚いて目を見張ってしまった。
「彼奴……今回の事で、 凄く堪えているみたいだし」
「今回の事?」
ミサさんの子供の事?
それとも……。