五年の想いを抱えて
私は涙を流していた。

何でかは自分でもわからない。

晴葵がいなくなってしまうことを実感したからなのか、晴葵が泣いているとわかってくれる人がいたからなのか。

「なんでお前が泣くんだよ」

「ごめん、なんでだろうね。自分でもわからない」

私は泣きながら笑った。

私が視線を向けた先に気づいて、慎也がそっちに向かった。

「おい晴葵、約束が違くないか」

いつもより低い声色の慎也に私は驚いた。
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