恋に気づいたら

「嫌だった…?」

彼が言うと、否定の意味で首をふる。

「…ごめんなさい」

素直な気持ちが出てくる。
 
「こないだのリハビリの時、距離を感じて。なんか嫌なことしたかな、って思ったんだけど…仕事忙しくて。いけなくて。
そしたら人とぶつかって尻もちついてるし。
びっくりした」
 
そうだよね、びっくりするよね。道に座ってたら。

「…ほんとに嫌じゃない?」

伺うように私に話しかけてくる。

「嫌じゃない」

手を繋いだまま、肩に寄りかかると、少しびっくりしたようだったけど、向きを変えて抱きしめられた。
 
なんだか安心してしまって、抱きしめられた体を抱きしめ返して、泣いてしまった。
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