花橘の花嫁。〜香りに導かれし、ふたりの恋〜
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皆が入場すると帝と女御様、東宮様がいらっしゃり挨拶をする。
貴文様が私のことを紹介してくださって無事に婚約を喜んでくださりお祝いの言葉もくださった。そして、香道の家の出身だからと女御様には香が聞きたいとおっしゃってくださり私は喜んで「はい」と答えた。
帝たちから離れ、士貴様と一緒に挨拶回りをする。
たくさんの方から第二夫人に娘はどうかと言われていたが士貴様は「私は、紗梛だけを愛しておりますので丁重にお断りします」と言ってくださってとても嬉しかった。
それから、しばらくして東宮様がこちらに話しかけてきてくださった。
東宮様は、士貴様の幼馴染さまだったらしくてさっきの公式な挨拶とは違って仲良さそうに言葉を崩して話していて大切な話があるらしく彼はどこかに行ってしまい、後から合流した郁世様が一緒にいてくださったけど……郁世さまも呼ばれてどこかに行ってしまい一人になると、女性の声が聞こえた。
「やっと見つけたわ!」
それは久しぶりに会うお義姉様……綾様だった。