花橘の花嫁。〜香りに導かれし、ふたりの恋〜



「ありがとう、沙梛」

「はい。こちらこそありがとうございます……幸せになりましょう。華乃宮毘売さまと結葉龍神さまの分まで……羨むくらいに、二人で幸せになりましょう」

「あぁ、もちろんだよ」


 それから私たちはすぐに結婚が決まり、結婚式をする準備を早速始めた。

 幸せいっぱいの毎日の中で風の噂で、櫻月家が没落すると聞いた。
 実家が没落しそうでも何もしなかったのは彼らからの謝罪がなかったからだ。

 それに、私は今が幸せだから。


「沙梛、お茶が入ったよ。一緒に飲もう」

「えぇ。士貴さん……いただきます」


 きっと、華乃宮毘売と結葉龍神が見てくれているだろう。自分たちの願った願いが叶ったことに二人で喜びながら。

 だってその証拠に、長宗我部家には咲かなかった桜の樹に花が咲き誇っていたから――……





              終
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