芭くん、もっと


芭くんの紅い目を見た瞬間。



──────ゾクリとした。



芭くんに惹きつけられた。



今までにないほどに。



『ばっ、芭くん、その目………』

『俺、吸血鬼だから』



あまりに無意識に出た私の声に、
芭くんはそう言って微笑んだ。



それからだ。


私が芭くんに
──────血をあげるようになったのは。







初めて紅い目を見た時にはもう恋に堕ちていて。



いつか私が一番になれたら…………



そんな思いを抱きながら、
私は今日も──────芭くんに血をあげる。



「芭くん、もっと、飲んでいいよ」

「ん、ありがとー!」



いつか一番になれるその日まで、
私はこの生活を手放さない。




END
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