女流棋士はクールな御曹司と婚約したい
銀之丞「吉野の娘は確か数年前に弁膜症と心房細動の治療にメイズ手術をしていたな。新薬のデータ、あれは彼女のものだな」

翡翠「ええ。吉野氏の病院で該当するサンプルは彼女が最適人だと判断されたようです」

銀之丞「翡翠。吉野の娘は少しは元気になったようだが未だに服薬で体調をコントロールしているような身体だ。後継ぎを考えると、やはり婚約は」

翡翠「あの新薬はマウス投与も試験し、害はないというデータも採れているモノです。厚生省の認可を得て、対象への試験投与も」

銀之丞「翡翠。薬や身体のことだけではない。吉野の娘とは10才もの年の差がある。うまくいくと思っているのか」

翡翠「彼女は幼なじみです。ずっと彼女を見てきました。彼女は年齢こそ若いですが、しっかりした考えをもっています」

銀之丞「女だてらに棋士をしているような変わり者に、如月の嫁が勤まるとでも?」  

翡翠「彼女ならば」      
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