美人な女子たちに溺愛されていて困っています。

二人だけの空間

委員会が終わって、アタシは隆君の家に向かった。



ピーンポーン。



インターホンを鳴らすと、



『はーい』



という声が聞こえたから、アタシもインターホンに向かって話しかける。



「あの、アタシ、松野隆君の同級生です」



『ちょっと待っててね』



インターホンの声は、女の子の声だった。



隆君に、妹かお姉さんいたかな?



いや、お母さんの可能性もある……。



………まさか美優じゃないよね?



ガチャリ。



ドアが開く音がした。



出てきたのは………、



「「ゲッ」」



み、美優‼



思わずアタシの声が漏れてしまったみたいで、美優は顔をしかめた。



「ミユにむかってゲッとは何、失礼すぎる!」



「あんたも人の事言えないじゃない。あんたもアタシと同じタイミングでゲッて言ったし」



アタシが思わず言い返してやったら、美優は目を開いた。



その後すぐにバツが悪そうに目をキョロキョロさせている。




ていうか、美優、いつもより様子おかしくない?



なんか、アタシに入ってほしくないーー今すぐに帰ってほしいーーって願っているようなーーーー。



(どこかにヒントみたいなのあったかな?)



うーーーーん。



………ん?



あ。



ちょっと待って。アタシが来るまで二人っきりだったってこと?



じゃあ、美優は、このまま二人っきりで隆君とラブラブしてたいってこと?



美優は隆君の事が好きなんだ。



そしてアタシの事が嫌いなんだ。



途端、アタシの頭が痛くなった。



アタシは思わずその場にしゃがんだ。



美優はアタシを見下ろして目を大きく見開いてる。



でもアタシは、そんなこと気にしていられなかった。
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