忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 ベッドに入っても。

 眠れなかった。

 幸也が好き。

 仲直りしたい。

 また笑ってほしい。

 失いたくない。

「…………」

 なのに。

 目を閉じると。

 浮かぶのは。

 丈だった。

「……先生」

 会いたい。

 声を聞きたい。

 返事がほしい。

 何でもいい。

 一言でいいから。

 まだ。

 ここにいるって。

 分からせてほしかった。

「先生……」

 亜美は枕元のスマートフォンを取った。

 丈との画面を開く。

 返事はない。

「…………」

 もし。

 もう二度と。

 返事が来なかったら。

 もし。

 本当に。

 もう会えなかったら。

 そこから先を。

 考えられなかった。

 亜美はスマートフォンを胸元へ抱き寄せた。

 苦しいくらい。

 強く。

 幸也が好きなのに。

 今。

 一番そばにいてほしいと思ったのは。

 丈だった。

「…………」

 いなくならないで。

 声には。

 できなかった。

 心の中に浮かんだ言葉を。

 否定できなかった。

 ――私には。

 丈しかいない。
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