忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 春。

 亜美は二年生になった。

 大学へ向かう道も。

 講義室も。

 すっかり見慣れた。

 バイト先で入口が開くと。

 顔を上げる。

 大学で似た背中を見つけると。

 目で追う。

 スマートフォンを開けば。

 丈の名前を見る。

「…………」

 連絡する回数だけは。

 少しずつ減っていた。

 返事が来ないことを。

 覚えてしまったから。

 それでも。

 朝。

 目を覚ましたとき。

 講義が終わったとき。

 バイトが終わったとき。

 眠る前。

 何も考えずにスマートフォンを開くと。

 指は。

 丈の名前を探していた。
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