忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
「そろそろ帰る?」

「…………」

 まだ。

 そう思った。

 けれど、もう遅い。

「……はい」

 二人で駅へ戻る。

 改札の前まで来ると、丈が足を止めた。

「じゃあ、またな」

「先生」

「ん?」

「また……会ってくれますか」

 丈が亜美を見る。

「亜美は会いたいの?」

 答えは迷わなかった。

「はい」

 亜美は丈を見つめた。

「会いたいです」

「そっか」

 丈はほんの少し目を細めた。

「じゃあ、またな」

「……はい」

 離れていく背中を見送る。

 見えなくなっても、しばらくその場にいた。
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