忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 家に帰って。

 亜美はベッドの上で膝を抱えた。

 スマートフォンは隣に置いた。

 今は見ない。

 誰にも聞かない。

 自分で考えてみる。

「…………」

 先生。

 昨日だけじゃない。

 ずっと前から。

 分からないことがあれば丈に話した。

 学校のこと。

 人間関係のこと。

 幸也のこと。

 丈なら聞いてくれた。

 分からないときは答えてくれた。

 迷ったときは、どうすればいいのか教えてくれた。

 だから。

 何かあると丈のところへ行った。

 でも。

 昨日は違った。

 何もなかった。

 それでも、丈を待った。

 今だって。

 相談したいことがあるからじゃない。

 答えがほしいからでもない。

 ただ。

 丈そのものを求めている。
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