忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 亜美は、その問いを胸の中に置いた。

 丈には聞けない。

 だから。

 自分で答えを探す。

 昨日のことを思い出した。

『亜美』

 振り返って丈を見つけた瞬間。

『会いたかったから』

 自分でそう言った。

『亜美は会いたいの?』

『はい』

『会いたいです』

「…………」

 迷わなかった。

 あのときは。

 ただ会いたいと思っていた。

 どうしてなのかなんて、考えなかった。

 でも。

 今なら。

「…………」

 分かる。

 亜美は目を閉じた。

 丈の顔が浮かぶ。

 名前を呼ぶ声も。

 隣を歩いた時間も。

 もう少し一緒にいたいと思った自分も。

 全部。

 ひとつの気持ちにつながっていた。

「……好き」

 声に出した瞬間。

 胸が鳴った。

 でも。

 違わなかった。

 もう一度。

 今度は、ちゃんと言葉にする。

「私、先生のこと好きなんだ」

 すとんと。

 胸の中に収まった。

 これだったんだ。

 幸也への恋とは違うから。

 ずっと気づかなかった。

 でも。

 違うだけだった。

 丈への気持ちも。

 好きだった。
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