忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 亜美は駅のホームにいた。

 一人になった途端、堪えていた涙が溢れた。

「…………っ」

 幸也が好きだった。

 ずっと好きだった。

 叶わないと思っていた恋が叶った。

 幸也の恋人になれた。

 それが、終わった。

 電車が来る。

 扉が開く。

 でも、亜美は乗れなかった。

 扉が閉まり、電車が遠ざかっていく。

 ベンチに座った。

 一人でいるのが苦しかった。

 鞄からスマートフォンを取り出す。

 誰かに会いたい。

 今、会いたい。

 そう思った瞬間。

 浮かんだ人は、一人だった。

 亜美は画面を開く。

 震える指で文字を打った。

『会いたいです』

 送信する。

 涙が画面に落ちた。

 幸也との恋が終わったその日に。

 亜美が会いたいと思ったのは。

 やっぱり。

 丈だった。
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