忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―

47.離れたくない

 送ってしまった。

『会いたいです』

 亜美は画面を見つめたまま、スマートフォンを握っていた。

 返事は来ない。

「…………」

 駅のホームを人が行き交う。

 電車が来て、誰かが乗って、誰かが降りていく。

 亜美だけが、そこに残っていた。

 先生、来て。

 会いたい。

 幸也と別れた。

 さっきまで恋人だった人。

 初めて好きになった人。

 ずっと憧れていた人。

 その人と別れたばかりなのに。

 今、返事を待っているのは別の人だった。

 スマートフォンが震えた。

「……っ」

 すぐに画面を見る。

『どこにいる?』

『駅です』

 送る。

 すぐに既読がついた。

『そこで待ってて』

「…………」

 来てくれる。

 先生が。

 その文字だけで、少しだけ息ができた。
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