忘れられないよ君は―初恋だけでは終われない―
 丈の指が、亜美の頬にかかった髪を耳へかける。

「亜美」

「……はい」

 近い。

 何をされるのかは分かった。

 心臓がうるさい。

 でも、逃げたいとは思わない。

 丈はすぐには近づかなかった。

 待っている。

 また。

 先生がしてくれるのを待っている。

 私から。

 亜美は丈の服をそっと掴んだ。

 ほんの少し、顔を近づける。

 丈の手が頬に触れた。

 唇が重なる。

「…………」

 すぐに離れた。

 亜美は俯いた。

 でも。

 離れてしまったことが少しだけ寂しい。

「亜美?」

「…………」

 丈の服を掴んだまま。

「もう一回する?」

「…………っ先生…」

 亜美は小さく答えた。

「……もう一回」

「うん」

 今度は。

 亜美から距離をなくした。
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