交際0日 言葉にしない愛を見かけた街角
「あのさ…もしよかったら、結婚しない?」

我ながら、なんて酷いプロポーズかと思う。

案の定、トーコはポカンとしている。

夜景が綺麗で、ラグジュアリーなレストラン…というシチュエーションまではよかったのに。

こんなまぬけなプロポーズ、断られて当然だ…。

自己嫌悪に陥りそうになっていたら、

「うん、いいよ」

アッサリと答えられ、逆に驚いてしまう。

これではまるで、デートに誘ってOKされたような感覚だ…。



僕は、長年の親友であるトーコに、情けないほどの片想いをし続けてきた。

知り合ってから、もう12年になる。
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