俺が必ずこの女を殺す
礼を言って頭を撫でると、洞穴に隠れるように澪奈が俺の肩にポフッ、と顔を埋めた。

「うんっ!」

もう……、可愛くて可愛くてしょうがない。

2人っきりだったら俺どうかしてた。例によって今はティアラが目の前に陣取っているのでそうはいかないが。

「ちょっとぉー!何その反応の違い!酷くない!?」

ティアラの雄叫びにも似た不満の叫びにせっかく澪奈にもらったハピハピオーラが一瞬にして崩される。

「逆に太郎からのお出迎えを俺が喜んだら気持ちが悪いだろうが!」

「てめぇ!その名で呼ぶなって言っただろうが!」

「えっ?太郎くん?なの…?」

俺に大人しくだっこされている澪奈が困惑気味に瞳を揺らした。

「いいえ。違うわ。あれはデタラメよ。耳を傾けてはダメ。あたしは、ティ・ア・ラ。」

澪奈の鼻先を人差し指でツンっ!と触ると、オネェのような…(というかこいつは正真正銘のオネェか)仕草で腕を振って何故か指ハートをお見舞した。

「うん!わかった!ティアラちゃんっ!」

「んきゃー!かわいいっ!」

ティアラ…。茶番は家でやれよ。

と口から出かかるが、すんでのところで止めた。

でも……、こうしてこいつらと普通に喋ってるとさっきまでのピリついた空気が嘘みたいだ。

理音が今後、どう行動してくるかは分からないが…

「ティアラちゃんもかわいいねっ!すきー」

「んきゃー!」

何があっても、絶対…、



俺が守ってやるからな​───────。
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