佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
目を潤ませ膝から崩れるしおりの唇を追いかけて、自分も膝をつき胡座をかきなおし、しおりの後頭部を引き寄せて抱き込んだ。
そこからお互いに、頬を高揚させて見つめ合い、何度も戯れのキスを繰り返している。
零士にかかれば、手のひらで転がされ、こうして、翻弄されるしおりに満足した零士は、呼吸を荒くするしおりの頭を肩に抱き締めるのだ。
「はぁぁ…可愛かった」
と、呟き、零士も荒い呼吸を整えるのだ。
「なぁ、もう、恋人同士じゃダメか?」
肩から目だけを向けるしおりは、零士に抱きついた。
「…ごっこやめていいよ」
しおりの頭を撫で、ニヤリと笑う零士の悪い顔は、しおりは見ることはなかった。
「もう一度ちゃんと聞きたい」
「…恋人になる。零士の彼女になりたい」
顔を上げて、恥ずかしさに目を潤ませているしおりに、零士は顔中にキスを始める。
「やばい、嬉しい…ありがとう。絶対、幸せにするし、泣かせない」
何度も、何度も顔の至る所にキスし喜ぶ零士に、しおりは苦笑するのだ。
「私こそ、待っててくれて…好きになってくれて、嬉しい。ありがとう…大好き」
「ははは、サイコー。俺も大好き、好き、好きだよ」
お互いに微笑み合い、今度は唇へ触れるキスをし、しおりは初めて零士に気持ちを伝えたのだ。