佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋

「2人一緒でもいいですか?」

「…平日ならいいわ。だだし、2日が限界よ。2人分ならシフト見直さないといけないから、今日中に出してね」

「はーい」

悩みながらだした店長の結論に、香織は明るく手を上げ、悪い表情で笑っていた。

「しおりさん、一緒に有休消化しましょう。男達に内緒で旅行へ行きましょう。リフレッシュです」

うふふと笑う香織に誘われて、零士と少し距離を置いて頭を冷やすのもいいかもと思う。

「いいわね」

「どこ行きます?」

携帯を出して、検索しだす香織の行動力に、慌てる男達を想像して楽しくて笑うのだ。

翌週、木曜、金曜と2人分の有給が取れた女子は、男達に内緒で食い倒れの街へ来ていた。

贅沢なホテルに泊まって、飲み食いして歩き回って過ごす予定。その贅沢なホテルがまさか、アダとなるのとは思ってもいない…

「ここのお好み焼き屋さんと、串カツ屋は、絶対に行きたいです。あっ、ここのたこ焼きも美味しいって有名です」

ガイドブックを片手に、新幹線の車内からウキウキとして、はしゃいでいたのは香織。

「よーし、全部回ろう」

「行きましょう」

香織は、大地が見るだろうとわかっていて、食べる前に写メを撮り、SNSにあげているのだが、しおりは、あの日の夜から、零士を避け続けていた。
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