佐藤 しおりの幸せ探し〜揺れる恋
そこへ、零士からの初めてのメールがはいり、唇を綻ばせた。
『嬉しすぎて、寝れそうにない』
無邪気に喜ぶスタンプと一緒に、届いたのだ。
零士は、辰巳がくれなかったものを、言葉や態度で表現してくれることが嬉しくて、頬が緩む。
しおりが、ずっと我慢しながら、求めていたものだ。
零士といる時間が増えていく度、辰巳に憧れ、恋に恋してただけだと、のちのち、思い知るのだが、今はまだそのことに気づかない。
クスリと笑ったしおりは、返信する。
『浮かれてないで早く寝て。仕事に影響するよ。おやすみ』
しおりらしい、ツレない優しさに零士は口元が緩むのだ。
『はーい。大好きだよ』
チュッとキスマークが飛びかうスタンプを送り、背を伸ばす。
しおりが、今頃、真っ赤になっていると予想して、持て余した熱を下げにバスルームへ向かった。
その頃、零士の予想通り、しおりは顔を真っ赤にさせて、唸っていた。
「なんて返せばいいのよ。バカ」
辰巳の時にはなかった、甘ったるく、バカップルみたいなやり取りは、しおりの心をほっこりと包んでいたのだ。翌日、仕事終えて帰宅するしおりを待ち構えていたらしい零士が、呼びにくる。
「クリスマスだし、一緒に過ごそう」
「いいよ。入って」