今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─

毎日毎日俺様通信してくるミカエルがそんな神々しい存在だとは……近すぎてアンにはよくわからなかった。


アンにはそんなミカエルの大活躍より、直近に迫った大課題があった。


(まあそんなことより!ヘレナと、ジェイド先生のダンスイベント攻略よ!)


アンは仲良くなったあの日から、ヘレナの恋バナ相手に選ばれた。


聖なる夜に開かれるダンスパーティが迫り、ヘレナはジェイドに誘われたという嬉しい報告をきかせてくれた。透明魔法で出歯亀していたので知っていたけど。


誘いついでに髪飾りなんて贈ってしまうジェイド先生の手腕に、アンは舌を巻いて美味しく昇天させてもらった。



ヘレナの頭にはピンクの髪によく似合う愛らしい髪飾りが光っている。


だが、平民出身で正式なダンスのスキルないヘレナは、アンに相談して、教えを乞うてくれたのだ。
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