今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


鏡の中の美少女の猫目がギランとオタク特有の輝きを放った。



身体は美少女、

頭脳は三十路オタク!



非常にお気の毒な結果だ。

せっかくの転生、今度は頭脳明晰になりたかった。



(でも役柄は悪役令嬢だから、このまま行けば断罪死刑ルート。平穏無事に推しを覗くためにどうするか)



鏡台の前に座って、己の可愛すぎる顔に慄きながらもオタクのアンは考える。


どうしてこんなことに!よりもすでにどう生きるかに思考は進む。異世界転生の妄想慣れしたオタクは切り替えと現状把握が強い。



(もし悪役令嬢になったとしたら?

私の答えはもう出てる)



前世にて乙女ゲーしかり、異世界転生、悪役令嬢小説も貪りつくしていたアンである。


すでに最適解を得ていた。

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