長嶺さん、大丈夫ですか?


「大変、申し訳ありませんでした!!」



 そう大きな声で言って会議室の床に頭をこすりつけたのは、シトミズカンパニーの社長だった。

 そう。 以前木刀を振り回して長嶺さんを低俗な人間とか、汚い男だとか罵ったあの社長である。


「麗華! お前もするんだ!」

 
 社長に頭を押され、隣に正座していた麗華さんも床に額を押し付ける。


「……申し訳ありませんでした」


 麗華さんから聞こえた声は、社長と対照的に小さな声だった。


「社長、麗華さんも、顔上げてください」


 長嶺さんは焦って膝をつき声をかけるけど、二人とも頑なに頭を下げ続ける。


「本当に、本当に済まなかった……!数々の無礼、許してもらえるとは思わない。ただ、麗華も相当参っていた時で、今は心を入れ替えて反省していることはわかって欲しい!」


 なんだか、見てられない……。


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