携帯伝和、彼との距離

あーあ、私の自己紹介やりにくいじゃん……。まぁいいけどさぁ。
私はガヤガヤとうるさい教室に向き直る。

『同じく、都立三水難中学校から来た、神崎天鈴です。天の鈴で、あまねと読みます』

一瞬でガヤガヤの静まった教室。
やば、おもしろすぎる反応……!

『得意教科は理科と数学。苦手教科は体育。いじめないでくださいね、運動神経鈍いんで』
やった、ノンブレスで言い切った。



私は前に立つ海を置き去りにして、空いている席に座る。
とてもSHR中とは思えない重い空気が、ねっとりと私に絡みついた。



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