携帯電話、彼との距離
国立シエル学園
新しい生活に慣れた頃
ガヤガヤガヤガヤーーーーーーーーー…………
新しい学校、国立シエル学園に転入してから1ヶ月半。
最初のクラスメートへの受けはそこまで悪くなかったようだ。
少なくとも、目的を達成することのできる、最も良い方法を取れていたと思う。
『えー、今日から皆さんの仲間となる転入生です。神崎さん、山川さん、挨拶を…』
そう私たちに言った2-Sの担任、西野久美子。
下調べの段階で年齢は××歳と出ていたが…若いな⁈
け、化粧でこんなに化けるとは…。
『都立三水難中学校から来ました、山川七海です!』
担任を見てぎょっとしている私をよそに、海は自己紹介をする。
『名前を一目見ると、山なのか川なのかはたまた海なのか分かりにくいのが悩みです……。
ぇへへ、転入ってこともあって、みんながどんな人なのかよくわかんないから、お話しできたら嬉しいです!』
彼女が言い切った、その瞬間。
『『………ーーーかわいいいいいいいいいいいぃぃい!』』
瞬時にクラスメートから上がった悲鳴のような声。