携帯伝和、彼との距離
「いや、んな言われたってさ、知らないもんは知らないよ」
私は腕を振りほどいて言う。

「そもそも、世の中の総ての事って言うのは数字と情報の羅列で表せるのよ?わざわざ複雑化する必要はないじゃない」

とたん、彼女はツインテールと私の腕をまた上下に動かし始めた。

「んもぅ、夢がないなぁ!絶対そんなんじゃモテない!彼氏が2次元になっちゃうよ!」
「2次元?…紙の上…?…そもそも、恋愛感情や彼氏の定義って、何…?」

「「……」」

数秒の沈黙。


そのあと、彼女ははぁと息を吐いた。
「あのさぁ!もうちょい科学的じゃない魔法とかファンタジーとか憧れないの?」


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