【番外編】花火大会の記憶 ー星空の下、キミとの約束。
気を遣わせない。困らせない。

今の慣れない高校生活で、またしみついてしまった空気を読む行動。

私は、何かを言おうと口を開くけど、それよりも先に、皆が口を開いた。


「なっちゃん、さては抜けてるね?」

名探偵のように、演技じみた顔で、紗南が私の顔を覗き込む。

「それなら仕方ない、事細かに俺が説明しよう」

恭弥も、それに乗っかって、博士のような口ぶりで話始めた。

「うわあああ…やめろよおお…でも仕方ない、元々菜摘も知ってることだから…」

晴樹は諦めたように、静かに頷いていて、綾羽はそれを見て可笑しそうに笑った。


4人の様子に、私は手術後、たくさん4人に支えてもらった日常を思い出す。
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