【番外編】花火大会の記憶 ー星空の下、キミとの約束。
学校から少し離れたコンビニの駐車場で、
見慣れた車を見つけ、私は運転席へと近付く。

中に乗っていた人は、高校時代よりもずっと明るい色の髪をなびかせ、変わらない爽やかな笑顔を見せた。


「菜摘。お疲れ様」

「シュンくんこそサークルあるのにごめんね」

私は謝りながら、助手席に回って車に乗り込んだ。


お兄ちゃんのお友達のシュンくん。

高校生の頃から仲良くしてくれていた彼も、今は、近くの大学の2年生。
ちなみにお兄ちゃんも同じ大学で、卒業してからも変わらず仲良し。

私に対しても変わらず妹のように接してくれている。


「全然?テキトーなサークルだからね」


そう言って、車を運転するシュンくん。

元々、大人っぽかったけど、
髪色も明るく染め、ピアスも空けて、
オシャレな私服に、車の運転。

大人っぽさを加速させるのには十分すぎる彼の姿に、私は少しそわそわした気持ちで助手席に座っていた。
< 3 / 54 >

この作品をシェア

pagetop