【番外編】花火大会の記憶 ー星空の下、キミとの約束。
お兄ちゃんの友達で、以前から妹のように優しく接してくれていたシュンくん。

病気になってからもなる前もそれは変わらなくて、
だけど、病気になってからは更にその温かさに触れることが多かった。

たくさんお見舞いに来てくれていたり、
一時退院の時は必ず会いに来てくれたり、
登下校も一緒にしてくれて。

通院するようになってからは、今日みたいに付き添ってくれた日も少なくない。


自然と多くの時間を一緒に過ごすようになったからこそ、
私は、シュンくんの卒業式が悲しくて仕方なかった。

お兄ちゃんの友達というだけの、友達というには違う関係。

卒業したら、簡単に会うことはできなくなってしまう。

そんなことを突然突きつけられ、私は寂しすぎて大泣きした。

それはそれは、お兄ちゃんが引くくらいには。
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