血の味のする恋を知る



どろどろと、触れたら火傷しそうな熱くて濁った激情がお腹の奥から噴き出して、身体中を犯していく。今まで存在すら気づかずにいたそれが隅々まで滲みていく感覚が心地良い。



「守る?わたしが?……この世で一番だぁいきらいなあなたたちを?」




おかしくておかしくて、心底おかしくて自然と笑い声が溢れてしまう。あぁ、うん、今ならば多少のことなら寛大になれそうだ。


お腹を抱えて笑うわたしを血の繋がりがある家族という存在が得体の知れないものを見るような恐怖と嫌悪と絶望に満ちた目で見ている。


そうだ、こんなに簡単なことだったのにどうして今まで思いつきもしなかったんだろう。


ぴちゃりと、足元で真っ赤な波紋ができる。ぺたりぺたりと素足のまま歩けば血に濡れた足跡がまだ綺麗だった床を汚した。


わたしが近づくたびに何か叫んでいるけれどそれすらも今ならば至高の音楽に聴こえる。この高揚感は癖になりそうだ。だからこの人達もわたしを痛めつけるのをやめられなかったのだろうか。


うん、ほんの爪先程度だけあなたたちを理解できたよ。だからと言って、もう何もかも遅いけれど。




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